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現役データサイエンティストが2025年にアート系の起業を支援した話

今回の主役は、ワイと美術大学時代の友人・ミナ。彼女はアーティストとして独立したばかりで、オンラインギャラリーの立ち上げに挑戦してたんや。

「感性と数字は共存できる」──アートビジネスをデータで支えた話

ワイは30代のデータサイエンティスト。普段は企業のデータ基盤を整備したり、マーケティング分析をしたり、まあ数字と向き合う毎日を送っとる。

けど、実は大学時代は美術学部で、油絵を描いてた時期もあった。今は筆を置いて、キーボードを叩いとるけどな。

そんなワイに、ある日ミナから連絡が来た。

「オンラインギャラリーを立ち上げたんやけど、作品は見られても売れへん。どうしたらええか、わからへん」

ミナは感性の塊みたいな人間で、作品は素晴らしい。でも、ビジネスやマーケティングには疎い。

ワイは「ええよ、数字で支えるわ」と言うて、彼女のプロジェクトに参画した。

アクセス解析とユーザー行動の可視化

まずは、彼女のオンラインギャラリーのアクセスログをGoogle Analyticsから取得。

PythonでAPI連携して、pandasで整形。Tableauでダッシュボードを作成して、以下の傾向を可視化した。

月間PVは約8,000、SNS経由が6割

作品ページの滞在時間は平均18秒と短い

カート投入率は0.5%、購入完了率は0.1%

ワイは「作品は見られてるけど、買うまでに至ってへん。何かが足りてへん」と分析した。

作品説明の最適化と感情分析

ミナの作品は抽象画が中心で、説明文が「感覚的すぎる」傾向があった。

例えば「内なる混沌と静寂の対話」みたいな文言は、アート好きには刺さるけど、一般ユーザーには伝わりにくい。

そこでワイは、過去の購入者レビューやSNSコメントを自然言語処理で分析。

BERTで感情分類して、ポジティブなキーワードを抽出。「癒し」「空間に馴染む」「色彩が柔らかい」などの言葉が浮かび上がった。

ワイは「説明文に、感性と具体性を両立させよう」と提案。例えば

「この作品は、柔らかな色彩で空間に穏やかなリズムをもたらします。リビングや寝室に飾ることで、心を落ち着ける効果が期待できます」

これで滞在時間が平均18秒→65秒に伸び、カート投入率も1.2%に上昇した。

価格帯と購買傾向の分析

次に、価格設定の問題に着手。ミナは「この作品は自分の魂を削って描いたから10万円」と言うてたけど、マーケットは感情だけでは動かへん。

ワイは過去2年分のオンラインアート販売データをスクレイピングして、価格帯と売上の関係を分析。使用技術は以下の通りや。

Seleniumでデータ取得

seabornで価格帯別のヒートマップ作成

XGBoostで価格と購入率の関係を回帰分析

結果、5万円以下の作品が最も購入率が高く、特に「サイズが小さく、説明が具体的」な作品が売れやすい傾向が判明。

ワイは「高価格帯は展示用にして、販売用は5万円以下で構成しよう」と提案。

ミナは「それなら、ミニキャンバスシリーズを作ってみる」と言うて、実際に新作を投入した。

レコメンドとパーソナライズ

さらに、ユーザーが一つの作品を見て離脱する傾向があった。ワイは協調フィルタリングを使って、レコメンド機能を実装。

使用技術:LightFMでユーザー×作品行列を学習

特徴量:閲覧履歴、色彩傾向、サイズ、価格帯

結果:「この作品を見た人は、こんな作品も見ています」機能で回遊率が2倍に

また、ユーザーの閲覧履歴から「青系の抽象画を好む人」などの傾向を抽出し、パーソナライズされたメール配信も開始。CTR(クリック率)は平均3.2%→8.5%に上昇したんやで。

成果とその後

この一連の施策で、月間売上は約12万円→48万円に増加。ミナは「数字って、感性を殺すもんやと思ってた。

でも、むしろ作品を届けるための翼やったんやな」と言うてくれた。

今では、彼女のオンラインギャラリーは国内外から注文が入るようになり、海外発送にも対応するようになった。

ワイは月1回のデータレビューと、キャンペーン設計を担当しとる。

アートとアルゴリズムの融合

この経験で思ったんは、アートとデータは対立せえへん。

むしろ、感性を現実に届けるためには、数字の力が必要なんや。

ワイのスキルが、誰かの表現を世界に広げる手助けになったこと。それが、ワイにとっての最高の報酬や。

この記事を書いた人(著者情報)

片山

カタチップ編集長。昭和生まれの30代でWeb業界歴は10年以上。現在はカタチップを運用しつつ事業会社でWEBメディアサイトのWebディレクター兼マークアップエンジニアを担当。最近はSNSの運用にも業務範囲を拡大中です。

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