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現役AIエンジニアが2025年に副業でモデルのファインチューニング受託して10万円を稼いだ話

ワイは30代のAIエンジニアや。普段は会社でモデル設計と推論基盤を触っとる。

技術はあるが給料だけでは趣味や貯蓄の目標に届かん。体力使うバイトや対面の副業は避けたい。

せやから、自宅で技術を直接お金に変えられる方法を考えて、モデルのファインチューニング受託に挑戦することにしたんや。

ワイが狙ったのは「中小事業者やスタートアップが持つ固有データを使ってモデルをカスタム化する」というニッチや。

一般の企業は汎用モデルで満足できん場面が多い。

製品説明文が独特やったり、社内用語が多かったり、業務フローに合わせた応答が必要やったりする。

ワイはその差分を埋める技術と経験を持っとったから、需要はあると踏んだ。

案件獲得

最初にやったことは信頼を見せるための小さなポートフォリオ作りや。

社内で使った微調整のサンプルや、オープンデータで作った業種別デモをまとめた。LinkedInと技術コミュニティに「こういう相談受けます」って短く投稿したら、思ったより反応があった。

一社のカスタマーサポートを外注している小さなEC運営から問い合わせが来たんや。

内容は「FAQに特化した応答精度を上げて自動応答の誤答を減らしたい」という相談やった。

契約はシンプルにした。

短期間で結果を出すことを重視して、スコープは「既存のFAQデータ1000件を使った微調整と評価レポート、デプロイのための推奨設定」。

報酬は一括で10万円を提示した。

相手も小規模やったから、初期投資を抑えたい意向があった。

ワイは短めの納期と明確な成果物を約束して契約を締結した。

データと前処理

案件が動き出すと、まずはデータの把握や。

送られてきたのは過去のチャットログとメールの抜粋、FAQの原稿で、ノイズや不要なメタ情報が混じっとった。

ワイはデータ品質で結果が決まることを知っとるから、最初の数日を前処理に割いた。

重複削除、ラベル付けの統一、誤字の正規化、業界用語の辞書作成までやった。

クライアントはプライバシーに敏感やったから、個人情報のマスキングルールも設計した。

データ量は1,000件強やったが、ケースの偏りがあった。

ワイは少数ケースの重要度を上げるためにサンプリングを工夫し、少量データで効果を出すためのデータ拡張テクニックを使った。

ここで手を抜いたら後の微調整が無駄になると判断して、細部まで磨いたんや。

ファインチューニングと評価

モデルの選定はコストと精度のバランスで決めた。

大規模モデルをまるごと使うより、軽量なモデルにタスク特化で微調整するほうがデプロイしやすい。

ワイは既存のオープンコアモデルにRFTやLoRAの手法を組み合わせて効率的に学習を回した。

学習は昼間は本業をこなしながら夜間に回すバッチで行った。

学習ログを見ながら早期停止や学習率の微調整を行い、過学習を防いだ。

検証セットでの正答率や応答の妥当性を定量的に評価しつつ、具体的な誤答パターンをリスト化して潰していった。

たった数パーセントの精度向上が現場での誤認識を大きく減らすことをワイは知っとったから、微差を追い求めた。

さらに、人手での品質チェックも組み込んだ。

クライアントに数十件のサンプルを見せて、業務担当者の感触を得ながらプロンプトやリターン形式を調整した。

モデルの出力が業界用語や企業トーンに合うまで、何度も微調整を繰り返したんや。

デプロイとチューニング

最終モデルはクライアントの既存チャットボットに組み込みやすい形で納品した。

推論レイテンシとコストを考慮して、オンプレに近い構成やクラウドのスポットインスタンスを提案した。

デプロイ手順書と運用チェックリストを添えて、問題発生時のロールバック手順も明記した。

納品後の1週間でワイはモニタリングを入れて、誤答の頻出パターンを観測した。

いくつかのテンプレート回答を追加してトリガー条件を厳格にしたら誤答が大きく減った。

クライアントからの「初動で問い合わせ対応時間が短くなった」という報告をもらったとき、ワイは手応えを感じた。

副業の収入が10万円を超えた夜

報酬の10万円がワイの口座に入った瞬間、静かな達成感が広がった。

金額そのものも嬉しかったが、それ以上に嬉しかったのは「自宅で自分の専門性だけで完結する仕事で、相手の業務改善に直結する価値を提供できた」ことや。

夜、コーヒーを啜りながらログや評価レポートを眺め、細かな改善履歴を見返してニヤリとした。

その後、クライアントから継続的な監視と追加カスタマイズの相談が来た。

ワイは追加の月次サポート契約を提案し、そこから定期収入の道が開けそうやと判断した。

短期で10万円を稼いだことが信頼を生み、更なる受託へつながる好循環が始まったんや。

学びと次の展望

今回の経験でワイが得た学びは明確や。

まず、データ準備と前処理に時間を惜しまんことが最短の成功につながる。

次に、クライアントと小さな検証を素早く回すことで信頼を築ける。

最後に、単発の納品で終わらせんと運用フェーズまで見据えた提案をすることで収益の拡張が可能になる。

次の一手は、テンプレ化と自動化や。

よくあるパターンをパッケージ化して、少ない工数で複数案件を回せるようにする。

加えて、月額の監視サービスや定期チューニングのサブスクリプションを用意して、安定収入を狙うつもりや。

ワイは画面を閉じて、静かな夜に思う。専門性は孤高の道具やない。

適切に研ぎ、相手の課題に合わせて差し出せば、自宅の作業机が小さなビジネスに変わる。

10万円はその証明で、次はもっと大きな価値を作るための始まりや。

この記事を書いた人(著者情報)

片山

カタチップ編集長。昭和生まれの30代でWeb業界歴は10年以上。現在はカタチップを運用しつつ事業会社でWEBメディアサイトのWebディレクター兼マークアップエンジニアを担当。最近はSNSの運用にも業務範囲を拡大中です。

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